【円形脱毛症】7年ぶりのガイドライン刷新!原因と早く治す方法、最新治療薬を徹底解説します

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こんにちは!奥沢と自由が丘の間にある1日3名様限定の完全個室サロンPelodiasの嶋田 篤士です。

今回は円形脱毛症について、最新の知見を共有します。

じつは今も円形脱毛症の原因は分からないことばかりで、対策や治療法もこれというものはありませんでした。

しかし2024年に7年ぶりに更新された日本皮膚科学会のガイドラインに、「JAK(ジャック)阻害薬」という治療薬が新しく追加されたのですが、

これが希望あり!ということでこのブログを書いております。

もしあなたやご家族、お知り合いが円形脱毛症に悩まされることがありましたら、このブログをシェアしてください。

その上でお住まいの地域で円形脱毛症の専門性が高いお医者さんをお訪ねください。

ここでは入口として、できる限り分かりやすく簡単にお伝えするので、読めるところまで読んでいただければ幸いです。

目次

じつは円形脱毛症の原因はストレスではない

円形脱毛ができるとストレスと結びつけがちなのですが、じつはそうではないことが分かっています。

例えば、避難所で過ごす人々を調査しても円形脱毛が有意に多くないのです。

避難生活は環境の変化、我慢や苦痛、不安とストレスの最たるものですので、円形脱毛症の人がたくさん発生してもおかしくないはずが、そうではないと。

つまり「ストレス→円形脱毛」とは限らないってこと。

※ここでややこしいのはストレス→円形脱毛な事例もあって、白か黒ではなく複雑なんですね。

まずは円形脱毛=ストレスとは限らない、原因はよく分からないってことを覚えておいてください。

まともな治療法がなかった

「原因が不明なのは分かった!じゃあ対策とか治療法はどうなの?」

という疑問にお答えすると、まともな治療法もありませんでした。残念ながら。

皮膚科に行くと勧められるのが

①ステロイド局所注射→痛そう!怖い!(すみません僕の感想です)
②ステロイドの塗り薬→これで生えたという人を見たことがない
③液体窒素を当てる→これも痛そう!やだ!(しかもあまり根拠ない)

といったもの。

ちなみに①②はちゃんとエビデンスがあり皮膚科学会も推奨しているので、選択肢としてはアリです。

嶋田も円形脱毛になりました

じつは何を隠そう、嶋田も円形脱毛になったことがあります。

あれは2020年11月のこと。

うちのワイフから「え、ここハゲてない?!」とハゲ通告を受けたのです。

言われて気づきましたね、、自分ではまったく分かってませんでした。

あれま…盛大に500円ハゲができておられる…

ここで僕が下した決断は放置でした。

なぜなら特効薬や画期的な治療法がないことを知っていたからです。

そのまま気にせず放置していたら、いつの間にか治ってました。

でも今にして思えば、まだ当時の嶋田は知識が足りてなかったかもしれません。

今だったらステロイド注射は怖いにしても、ステロイド外用薬は試してみるかもしれないです。

2024年のガイドラインで推奨されてること

そんなわけで7年ぶりに更新された「2024年の円形脱毛症診療ガイドライン」で推奨されてることを紹介します。

引用元→https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/AAGL2024.pdf

推奨度は3つに分かれていて

1.強い推奨
2.弱い推奨
3.推奨しない

となっております。

まずは下記リストをざっとご覧ください。

免疫療法から漢方薬や催眠療法まで、かなり多様な検証がされているのが分かります。

ここでは1.強い推奨にだけ絞ってお伝えします。

①ステロイド局所注射
②ステロイド外用薬
③JAK阻害薬、JAK3/TEC ファミリーキナーゼ選択的阻害薬
④かつら

①ステロイド局所注射

まずはステロイド注射です。

・円形脱毛症患者の約60~75%で毛髪再生が認められる
・特に早期治療を開始した場合、効果が高いと報告されている
・効果発現までに4~8週間かかることが多い
・治療間隔は4~6週間ごとが標準的

やはり効果は高そうですね。

一方で注意点としては

・円形脱毛が広範囲、あるいは多発している場合は難しい
・皮膚萎縮のリスクがあるため慎重なモニタリングが必要

とのことです。

②ステロイド外用薬

次にステロイドの塗り薬です。注射とは違い、患部に塗るだけなので手軽ですね。

・軽度の患者では約40~60%で毛髪再生が見られる
・効果が現れるまでに4~6週間を要する

また、長期使用や広範囲への使用により、以下の副作用が懸念されます。

・皮膚萎縮
・毛細血管拡張
・頭皮の刺激感や乾燥

ガイドラインでは、ステロイド外用薬が初期治療の柱として位置付けられています。また、ミノキシジル外用薬やJAK阻害薬などとの併用による相乗効果が期待されているとのこと。

なので、まずはステロイド外用薬から始めてみて、その後状況によりその他の治療薬と併用するのが良さそうですね。

③JAK(ジャック)阻害薬

3つ目のJAK阻害薬、JAK3/TEC ファミリーキナーゼ選択的阻害薬が2024年のガイドラインに新規追加された治療薬です。

これまで円形脱毛症にはこれといった治療法がなかったのですが、2022年に日本でJAK阻害薬が認可されブレイクスルーが起こりました。

JAK阻害薬とは何か?

まず円形脱毛症は自己免疫疾患の一つとされていて、自分の免疫が間違って自分を攻撃してしまうんですね。

髪の毛抜けろー!って命令をしてしまうのです。

そこでその命令が届かないようにブロックするのが阻害薬です。

JAKという命令を阻害するからJAK阻害薬ということですね。

JAK3とかファミリーって何やねん?

はい、僕もそう思います。

JAKはファミリーギャングのような組織で1.2.3、そしてTYK2の合計4つの組織からなることが分かっています。

どの命令をブロックするかによってJAK1/JAK2阻害薬、JAK3阻害薬など使い分けていくのです。

全部止めたら良いのか?の判断は信頼できるドクターと試行錯誤しながら突き止めていくのが良いと思います。

JAK阻害薬は保険適用されている

分かる人には分かると思いますが保険適用されるということはかなり信頼性が高いということです。

しかしながら、2025年1月現在での薬価は1錠あたり4,483円(1ヶ月分で約134,500円)とのこと…

3割負担としても1ヶ月あたり約40,350円になります。

基本的には飲み続けることを考えるとなかなかの費用にはなるかと思います。

とはいえ、このJAK阻害薬が認可されたことにより、円形脱毛に新たな選択肢が生まれました。

あと4年ほどでジェネリックも出てくると期待されており、将来的にはもっと多くの人に届きやすくなるのではないかと思われます。

④かつら

最後に強い推奨がされているのがウィッグ(かつら)です。

正直、治療法というと疑問に思ってしまいましたが、円形どころではなく広範囲に及ぶ場合、あるいは多発型の場合において患者の心理的・社会的支援として、見た目の改善による精神的な安定を提供します。

ウィッグも進化をしておりまして、人毛だけでなく人工毛、ミックス、耐熱性人工毛などの毛質。オーダーメイドのフィッティングやカラーリング。

いざという時には我々の心をサポートしてくれる存在になることでしょう。

円形脱毛症になったらどうする?

最後にもし嶋田がまた円形脱毛になったらどうするか?を考えてみました。

まずは軽症なのか?中重症なのか?によりますね。

親指の先っぽくらいだったら放置します。

先ほどの写真くらいの500円玉サイズだったら皮膚科を受診します。その際はJAK阻害薬を取り扱っていて円形脱毛症に専門性が深いお医者さんを探しますね。

で、軽症であればステロイド外用薬を用います。

その上で、本当は怖いからイヤだけど調べるほど効果が高そうなステロイド局所注射も検討します。

JAK阻害薬は中重症であれば有用なので、それもお医者さんと相談ですね。

以上、嶋田の妄想ケースです。不安な方はすぐに信頼できるお医者さんを頼ってください。

ではでは最後に。世の中から円形脱毛症で悩む人が一人でも早く減りますように願って。


引用論文

[1]日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2017年版
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AA_GL2017.pdf

[2]円形脱毛症診療ガイドライン 2024
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/AAGL2024.pdf

[3]西新宿サテライトクリニック 院長ブログ(現場の所見が大変参考になりました)
https://ns-scl.com/category/blog/


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